チェルノブイリへのかけはし 野呂美加さんのおはなし

クラスノポーリエの放射能測定

これはですね・・・これをご覧になっていただきたいんですけども、クラスノポーリエ地区という地区があるんです。この赤で囲ってるところですね。これが測定データです。

大阪にチェルノブイリ被曝者救援関西という団体がありまして、私たちと同じようにチェルノブイリの救援を続けてきた団体で。そこの医師である振津かつみ先生というお医者さんがですね、そのクラスノポーリエ地区の食品測定所のデータをもらってきたものですね。

 

私たちもクラスノポーリエ地区の子どもたちを保養に呼んでいましたけれども、先ほど小若さんの発表にあった通りですね、子どもたちの体調は優れません。

それで、いろんな病気が起こってくるけれども、IAEAなんですね結局は。IAEAがこれは放射能のせいだというふうに認めなければ、お医者さんはそれを話してはいけないというのは、まぁ一応核医学の分野のですね、圧力ですね。

 

で、これを見ると、このクラスノポーリエの放射能測定のデータ、2004年。まぁこれチェルノブイリ事故から約19年ぐらい経っているんですけれども、ほとんど自給自足なんですけれど、大体普段食べているものも7.4ベクレル以下と。これ検出限界以下なんですね。

で、もう基準値はもちろん、一番右端にあるんですけれども、基準値いっぱいいっぱいのものを食べている人はいないんです。だからここまで食べて安全だというものじゃなくて、ここを超えたら規制しますよという意味では、これはすごい危険な数値なんですね。

 

そしてこれはですね、これがこのぐらい食べてると子どもたち具合悪くなります。ですから、数ベクレルで大丈夫だとか20何ベクレルのお米であるとか、給食の検出限界10ベクレルなんて聞いたらですね、もう気が触れそうです私たちは。やっぱり子どもたちを元気にするためにはどれだけのことをしなければいけないか。

危険食材の継続的な摂取により体内に蓄積

これは、だいたい同じくらいの時の子どもたちの体内の数値のデータなんですけど。これはホールボディカウンターで測ったものですね。で、1番から21番までの子どもたち、同じ地域の子どもたちですが、体内に入ってるセシウムの量がこれだけ違う。この赤を付けてるのはもうバンダジェフスキーさんが、このぐらいあったらいろいろ心臓に異常が出てくるよと言った数値なんですが、当時はこういう概念が発達していなかった。バンダジェフスキーさんはこれ発表したあと投獄されたんですけれども、このデータじゃなくて、このようなデータいっぱい彼は取りましたから。

 

やはりその危険地域を超えてる子どもたちがたくさんいるというのは、先ほどの見ておわかりの通りですね、食べてるものはそんな汚染されてないんですけれども、やっぱり危険食材っていうのはあるんですね。貧しくて、そういう危険食材、毎日食べるようなものであるとか、きのこであるとかベリーとか向こうは常食しますから、そういう危険食材を食べてるとすごい体に蓄積されてしまう。1回食べるだけじゃなくて、長い年月の間に蓄積されてきてしまうわけですね。

これは2010年です。やっぱり気をつけましょうと、体の中になるべく放射能入れないようにしましょうというと、大体25ベクレル平均ですね、紫のところを。これ世界各国保養に出る前のですね、子どもたちの数字なんです。

これを見ると、内部被曝みんなで避けましょう運動をする前は177ベクレルとかそういう、体の中に放射能いっぱい入っちゃた子どもたちがいたわけですね。現実私たちこういう子どもたちをお預かりしますが、ものすごいやっぱり具合悪い。だけど1ヶ月保養して、汚染のないものを食べさすことで、体の中から放射能が出て行くと。まぁここが1万ですね。日本だけ、私たちこれ自慢ですね。81%排出してくれた、子どもたちありがとうと。

原発事故後の食品の規制値

じゃあ日本はどうなのかっていうと、これ2011年時に作ったデータなんですけれども、大変高い基準のものを食べてました。左側から2番めの100ベクレル、200ベクレル、500ベクレルというですね、緊急事態の数字が1年間続いたんですね。

 

ドイツの放射線防護協会は「4ベクレルでもう限界ですよ」と、「子どもたちは」(と)おっしゃっていてくれたんですけど、実際にチェルノブイリ事故の時に測定器を買った小金井市はですね、測定所をずっと市民と市で共同で計測し続けてくださってたんですね。これから私たちは食べ物を、10年、20年、30年測り続けていかなければいけないと。チェルノブイリの子どもたちでさえ、今これから厳しく、もっと厳しくやろうというふうに、ますます規制が厳しくなってきているというふうに言っています。

 

じゃあ小金井市の見たらですね、普段私たちは何を食べていたのかというと、不検出(なもの)だったわけですね。この水で10ベクレル以下っていうのはどっかのメーカーなんですが、大抵市と市民団体と協力しあってやってるところはメーカーを発表してはいけないというんですね。何か条件があってこういうふうになっています。そしてこの発表できないですね、どこの水か。ところが干ししいたけが12.47ベクレルあるのは、これはですね、もうチェルノブイリ事故由来と言われています。

子どもたちの体にこれ以上放射性物質を入れない覚悟

今この一般食品100ベクレルというのをですね、ちょっとご覧になっていただきたいんですけれども。実はこの一番左端のチェルノブイリ事故時に厚生省が出した文章があるんです、古い文章で。それで、食べ物だけで年間0.1ミリシーベルトに抑えたいよねっていう時に彼らが計算してた数字っていうのがこれなんですね。野菜とかそういうの50ベクレル、牛乳は20にしてとか、そういうのを計算上で出してるんですけれども、そこから多分来てるのかなと。一般食品を低くしてしまうと出荷できないものが多数発生すると。そういうような状態ですね。

 

だけどですね、このぐらいだったらいいとか、ガンにならなきゃいいとかっていうんじゃなくて、小学生の女の子は、ごはん食べたらもうお腹が痛いってお腹を押えなくちゃいけない。そんなん当たり前ですよ。小さい核物質がお腹の中に入るんですから。それがどんな量であってもしきい値はないっていうふうにベラルーシの科学者たちはおっしゃってます。

 

だから、小若さんは発表したときに、100ベクレル、200ベクレルの単位でお話をされてました。でもあれ以上もっと高いところはわーっと強制移住させたんですね。その時にどういう根拠で移住させたんですか?っていうのをこの間聞いてきた時にね、「あれは負けなんだ。年間総被曝量5ミリシーベルトで強制移住、年間総被曝量1ミリシーベルトで被曝者認定は負けなんだ。」っておっしゃったんです。もう80歳くらいの科学者の方がおっしゃったのは、放射能っていうのはしきい値なしにきまってるだろう。だからしきい値なし派と妥協派との戦いで負けて、年間総被曝量1ミリシーベルトってものができたんだっていうふうに言われた時にですね、絶句するしかなかった。

 

この原発の事故、原発、これ大人の責任だけど、本当に子どもたちの体に放射能を入れるというのは私たちの責任なんですよ、それだけは。もう本当に子どもたちに申し訳ない。私たちがそういう意思を持つと。放射能はもう本当に入れない!とそういう覚悟でお話をしていきたい。

今日小若さんが心配されてですね、私たちが官僚の人たちをボコボコにするんじゃないかみたいなご心配されたかと思うんですけれども、本当にですね、国の宝は子どもなんだっていうふうにベラルーシの人たちも最後は言うようになりました。官僚の人たちもね。だから、これは国民力を合わせて子どもたちを守っていきたいかなというふうに思っています。

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