武蔵野市議会 山本ひとみ議員のおはなし(1)

東京都武蔵野市の事例

みなさん、こんにちは。武蔵野市で議員をしている山本ひとみと申します。もう4期目なので15年ほど市議会議員をやっています。国会に議席があるような大きな政党でないので、割と小回りが利けるかなあと思っております。今日ちょっとすいません、パワーポイントなどのデータを持ち寄ることができませんで、紙のペーパーを配らせていただきました。これ、足りなかったんですが、「武蔵野市の給食食材の放射性物質に関する検査」というのと、A3のペーパーが2枚なんですけれども、こちら足りなかったので、もしない方がいたらお回ししますが大丈夫でしょうか?

それでは、こちらのレジュメにそって話をさせていただきます。武蔵野市でも3.11の原発事故の直後から、お母さんたちが、放射性物質による汚染について食品はもちろん、公園の草はどうなっているのか、お砂場の砂はどうなってるのか、校庭の土壌はどうなのか、様々なことに関心を持って陳情を出されたり、活動を始めました。私たちが、実際に自前での給食食材の測定器を購入すべきだというふうに考え出したのは9月ぐらいです。今日も、何人か、ずっと一緒にやっていらっしゃるお母さんが来てくださいましたけれども、本当に熱心に自分たちで調べて、仲間を増やすっていうことやっていったことが、大きな原動力になったと思います。

最初は、6月初めからは外注で検査を武蔵野市は始めました。それでも、例えば10月26日に低温殺菌牛乳から7ベクレルが出たんです。それは、たまたまデータが来たのが提供する前の朝だったので、取りやめました。

ちなみに、武蔵野市も今の国の規制値に関して法的にそれが駄目だとかいいとかいうふうな判断はできないという立場なんです。しかし、実際は極力測ろうとしているということに、私としては誠意を感じております。

経過としては、最初何回か親たちの集まりに私も行って、どういうふうな測定の用法がいいのかみんなで相談しました。

例えば、母乳を測ってもらえないのだろうかとか、土は測れないんだろうかとかいろんな意見が出ました。で結局、給食の事に関しては給食食材を自分たちが持って帰って測ることはできないし、基本的にみんなが食べなきゃいけないと。もちろん拒否する権利もあるわけですけれども。なので、給食食材に関して測るためには学校の調理場内に測定器を導入するしかないという風に考えました。

で、本当は食べる前の方がいいんじゃないかという意見もありましたが、給食食材の納入は朝来て11時ぐらいには各学校に配送しますので実際上は難しい。ではどうするかということで、極力精度のよいものを買おうではないかというふうに考えました。

それで、そういう検討や視察を始めたのが9月、10月あたりで、大地を守る会ですとか、小金井ですとか、蕨市ですとか、杉並区とか、いろいろ見に行きました。かなり職員の方たちも一緒に同行してくださいました。

12月の初めに教育委員会で陳情が意見付きですが採択されました。その陳情の内容は、お手元の資料の中にこういうふうに書いておりますけれども、この陳情を書面と一緒に提出して、1回目採択されました。実際に方針が決まったのは5月でした。2月にテクノAPというところで、割と新しい、1千万円を切ったゲルマニウム半導体測定器がリリースされるというのを聞いていたので、それを役所の人は見に行っていただきました。それを見て、これなら武蔵野市でも使えるということが判断できて、5月に決定をし、6月の市議会で全会一致で、反対者は誰もおりませんで、採択いたしました。

もちろん、それに関しては、例えば自民党などはそれほど積極的ではなかったんですけれども、私としては「外注でやるよりも自前で買った方がトータルでは安いんだ」ということを一生懸命説得し、それを市の課長さんや部長さんが、議会の場でちょっと質問がある方に答えるということで説得ができました。そういう経緯です。

検査機器の導入

2012年11月から運用してまして、今までで1年3ヶ月間このゲルマニウム半導体測定器で運用をしております。

では、どういう機械かということに関してはこちらにありますが、私たちも当初シンチレーター、NaIのシンチなども考えたこともありましたけれども、やはり精度が全然違いますので、ゲルマじゃないと駄目だと思うようになりましたが、杉並区で導入したのは1億何千万円もする機械ですし、非常に使い勝手悪い、重かったりするんですね。どこにでも導入できない。このテクノAPの機械は使い勝手が良いです。特に特別な場所も必要ありませんので、これがいいと思いました。こちらに書いてありますように、2時間測ったら大体1ベクレルまで検出下限値が下がります。

 

今武蔵野市はどうしてるかということなんですけれども、給食調理場センター方式でやっているのが2ヶ所あって、そのうちの1ヶ所に場所を確保してもらって測っています。9時から4時まで1日6検体、5日間で30検体。

丸ごと検査に関しては薄まるということで、様々な課題があるのは私も承知してるんですけれども、とりあえず最初の市の方針としては、子どもたちに提供する食材はすべて機械を通したいという方針でした。

検査実施の状況

認可保育園と小中学校の調理場。認可保育園が15あって今1つ増えて16です。調理場が自校方式が4、センターが2で6。30検体のうち22今丸ごと検査をやっています。残った8コマで単体の検査をやっているという状況です。保育園が週4件、学校が週4件という感じです。これまで1年3ヶ月間そういう形でずっと測ってきました。

 

ちなみに武蔵野市の公立小中学校の人数は小学生が5,076人、中学生が1,841人、保育園に、これは認可保育園は1,518人子どもたちが通っています。ここの給食を検査するというのが方針になっています。

 

1年3ヶ月やってどうだったかと言いますと、学校給食に関しては今月24日までで、最初の年が95検体、次の年が209検体、単体でやったんですけれどもまったく出ていません。保育園に関しては最初の年が60検体、翌年が152検体、単体ではやりました。その保育園の食事の材料のうち「れんこん」から2回、不検出じゃなくて数字が出ました。それに関して書いてありますように、セシウム137が4.5(Bq/kg)、もう1件「れんこん」ですけれども(セシウム137)2.7(Bq/kg)、(セシウム137)2.3(Bq/kg)、3回やったら3回目は不検出ということになっています。大体、今、単体で20分測定、丸ごとでちょっと要望して10分伸ばしてもらって30分測定で、1年数ヶ月やって出たのが「れんこん」だけっていう感じです。

 

【参考】武蔵野市認可保育園給食食材の放射性物質検査の結果について(平成25年度) 

機器導入・測定にかかる費用

というようなのが現状なんですけれども、お金がかかるというと言うところも多いかと思います。武蔵野市でいえば、外出しでやっていた時には半年間で600万円ぐらいかかっていたのかな。その当時は日本食品分析センターに外注していて、1検体あたり21,000円かかっていました。データがくるのに8日間ほどかかっていたので、これは次の仕入れに反映しにくいということで、精度の良いものを買った方がトータルでは安心だし、何年も使うんだから絶対やるべきだということを言って買ってもらったわけです。

 

導入時にかかった費用は、機械とエアコンのお金、部屋の改修費で約1,030万円かかりました。職員に関しては、今作っている人や食材の仕入れを担当している人がずっと測り続けることは無理ということで、アルバイトを1名、20代の女性なんですけれども、本当に安い8百何十円かの時給で申し訳ないなと思っているんですが、1名採用して毎日毎日測ってくださっています。

それから、書類上に関しては私たちが要望して見学会ですとか、やってる人との懇談会、栄養士さんとの懇談会も何度か開いたことがありますので、私から見ると、意見が違う面ももちろんありますけれども、風通しはいいし、これまで10何回要望をしてますけれども、1回も会いたくないとか、そんな話はしたくないというふうに断られたことはありません。経費に関しては以上のようなことになっております。

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