各省庁への質問状と回答(2)

今後の内部被曝対策について

問3-1

比較的セシウムが検出されやすい食材や、汚染が懸念される地域での地産地消(特に主食となる米)自然放射能以外の追加線量となる内部被ばくをさせないようにする為に、どのような策を講じていただけますか。不可能な場合はその理由を教えて下さい。

 

文部科学省学校健康教育課学校給食係からの回答

食品の安全については、厚生労働省において、様々な観点を考慮して定められた基準値(平成24年4月1日施行)に基づき、出荷段階における放射線検査が行われており、基準値を超える食材については出荷制限の措置がとられています。

文部科学省では、このことを前提として、安心確保の観点から、給食用食材の事前検査機器の整備や給食一食全体の提供後の検査などの学校給食に関する放射線検査について、これまで支援を行ってきたところです。

 

ストロンチウムの検査について

問4-1

ストロンチウムが体内に入った場合骨に溜まりやすい、骨の発達障害、白血病を引き起こす原因にもなると言われています。そこで魚の切り身でストロンチウムの検査を行っていると伺いましたが、子どもたちが食している給食食材で使用される魚や牛乳は検査がされていません。魚については骨ごと、まるごと、煮魚、調理法によって異なります。切り身だけの検査ではなく骨ごと、まるごとの検査を行って下さい。不可能な場合はその理由を教えて下さい。

 

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課からの回答

現行の食品安全基準には、ストロンチウムを加味した基準となっているので、現行基準を満たしている限り、ストロンチウムに関しても安全と考える。

問4-2

ストロンチウム検査を行う事にあたって問題点はありますか。実施できるとしたらどこの省庁が管轄になるのですか。

 

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課からの回答

4-1と同じ。

 

給食の放射性物質検査について

問4-3

給食食材の放射性物質検査測定は地域や自治体で行っていますが、検査方法や精度にばらつきがあり格差が生まれています。ベラルーシのように各学校保育園にシンチレーション測定器を配置し、地域の核となる場所にはゲルマニウム測定器を設置し、調理前に食材検査が行えるようにして下さい。

不可能な場合はその理由を教えて下さい。

 

厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課からの回答

○食品の安全については、基準値を超えるものが出回らないよう、出荷段階で検査が行われ、出荷制限等の措置が取られることとなっています。

○このことを前提としつつ、より一層の安全、安心の観点から、これらの検査体制に加え、さらに地域の実情に応じ、放射性物質検査機器の整備など、保育所等における給食の検査に関する事業を実施しているところです。

 

文部科学省学校健康教育課学校給食係からの回答

問3-1の回答を、参照してください。

なお、福島県内については、様々な状況を考慮し、希望する各学校や調理場において、学校給食の食材の検査を実施できるよう経費が措置され、必要な検査機器が整備されました。

 

問4-4

多くの地域で行っている給食食材まるごと検査は事後検査となっていますが、「子供たちの内部被ばくについてどのようにお考えですか」と円卓会議にて質問をさせて頂きました。ご出席下さった省庁の皆様からも内部被ばくは極力少なく、自然放射能以外の追加線量も少ない方がいいと仰られていました。ですが現状検査結果が分かるのは食した後で、汚染牛肉が給食で使用された際も食してしまった後に分かりました。現在行っている事後の給食まるごと検査では「内部被ばくの予防」にはなっていません。事前単品検査を行い、そうした検査結果を全国の子供の関連施設、教育機関全体で共有できるような情報提供の方法を検討はできないでしょうか?不可能な場合はその理由を教えて下さい。

 

文部科学省学校健康教育課学校給食係からの回答

問3-1の回答を、参照してください。

また、平成24年3月30日付けで、厚生労働省から都道府県等衛生主管部(局)長宛てに発出された通知において、放射線の基準値の設定に際しては、学校給食も含めた3食分の摂取量を考慮して基準値が定められており、給食についても基準値に適合していれば安全性が確保されているという見解が示されています。

なお、給食一食全体の事後検査は、給食実施の可を判断するための検査ではなく、実際に提供した給食によりどの程度の線量を摂取しているかを測定するも

のです。

また、検査結果の公表等については、実状に応じて、実施者及び学校等により適切に決定して頂くべきものです。なお、文部科学省では、これまで支援してきた事業の検査結果を、ホームページに掲載しています。

 

食品中の放射性物質の基準値について

問4-5

厚生労働省さんが円卓会議にて、乳幼児には50Bqという基準がありますが乳幼児から

お年寄から妊婦まで現在の食品基準値100Bqまで摂取しても大丈夫だと仰っていました

が、

①100Bqまで赤ちゃんが摂取しても大丈夫だと安全だという説はいつの時代にできたの

のですか?

②例えば学校給食でも100Bqまで大丈夫という認識でいらっしゃるのですか。

③汚染が懸念される地域での地産地消、国産しいたけも100Bqまでなら大丈夫という認識でいらっしゃるのですか。

④そもそも給食で使用している魚のストロンチウム検査はされていませんが、それでも大丈夫という認識されているのでしょうか。そうだと解釈して宜しいのでしょうか。違うと思われた場合はその理由を教えて下さい。

 

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課からの回答

現行の基準値は、食品の国際規格を策定しているコーデックス委員会が採用している年間1ミリシーベルトに基づき設定されています。 

この1ミリシーベルトという値は、国際放射線防護委員会(ICRP)が、それ以上に厳しい規制を講じても、有意な線量の低減は達成できないと考える曝露レベル(介入免除レベル)です。 

この1ミリシーベルトをもとに、男女別・年代別の食品摂取量と、ICRPが設定した代謝や体格を考慮した線量係数を用いて、計算した結果、最も厳しい値となった13~18歳の男性の120ベクレル/kgを、さらに安全側に切り下げた100ベクレル/kgを一般食品の基準値に採用しました。したがって、この基準値で、乳児や子どもも含めてすべての年代で安全性は確保されています。 

なお、「乳児用食品」、「牛乳」については、独立した区分を設けた上で、流通する食品のすべてが放射性セシウムを含んでいたとしても影響のない値として、「一般食品」の基準値の2分の1の値である50ベクレル/kgを基準値としています。

 

注:厚労省からの回答は①と③のみでしたが、②については①・③の回答からして学校給食についても大丈夫と考え、④については、4-1の回答と同様の回答となると思われます。

 

メルマガ登録QRコード