内部被ばくを考える市民研究会 川根眞也さん(3)

福島県産米の放射性物質検査について

少し時間がいただけたので、福島県産のお米、全袋検査は本当かっていう話をしたいと思っています。

こんなニュースご覧になった方いらっしゃいますかね。南相馬市産、旧太田村の玄米が、去年10月の9日のニュースですけれども、100ベクレル超えたと。これ知ってる方どれくらいいらっしゃいますか。旧太田村。あぁ・・・少ないですね。

これほとんど全国紙もう載りません。読売新聞ぐらいしかね。こんなもんです、記事は。ベタ記事です。NHKニュースもね、福島しかやってないと思うんです。

こんなのでやってるんです。島津製作所のFOOSEYE(フーズアイ)っていうとこで、ベルトコンベア式でお米の全袋検査やっています。やっていないのではありません。

ところがですね、こんな感じなんですよ。100ベクレルを超えたの、これだけを報道したのね。残りのデータこんなもんです。80ベクレルから60ベクレルですよ。で、これ全部流通してるんですよ。

そしてそのあと22日にも報道されたんです。今度は150ベクレルも出た。150ベクレル出たっていうニュースを知ってる方。え、もういない?もういません。ですから学校給食の会でお集まりのみなさんは、やはり情報を仕入れてると思うんですが、それでもみなさんも知らないくらいですから普通の人は知りません。今一般的に流通されてるのは、福島県産のお米は全袋検査されているから安全です、これだけを報道されているんですが、全袋検査の中身は、例えばこういうことです。

こうなってますね。これNHKのニュースで、8月25日のやつを写真で撮ってくれた。さっきのFOODEYE(フードアイ)みたいなところで、ここが「スクリーニングレベル81Bq/kg」って書いてありますよ。「ベルトコンベア速度5高速」5秒間、5秒間やると81ベクレルを超えてるか超えてないかわかる。これがスクリーニング検査です。

 

 

どういうことか。81ベクレル以上ありそうだとなると×(バツ)になりますね。ないっていったら○(マル)です。○(マル)って言ったらもう検査済みシールをポーンっと貼られて出荷OKです。

だからさっき言ったように、こんなふうに本当はこの下もあるんだろうけども、このあたりが引っかかるんです。わかりますか?80ベクレル前後だから、精度の低い検査なので、引っかかって×(バツ)になったやつは全部ゲルマニウム半導体検出器で再検査をするんです。それで数値が確定するんです。

で、数値が確定されたものについては、福島県も嘘はつきません。きちんとデータを出します。厚生労働省に上げます。厚生労働省のデータを私がピックアップしてグラフ化したものです。

こんな感じです。つまり、スクリーニング検査の設定が81だったら80までは○(マル)となって検査済証のシールを貼って市場に出回るってことですね。

そしてこれ、もう私はのけぞった。Twitter(ツイッター)で見て、確認してのけぞりました。180ベクレルのお米がその次出たんです、旧太田村。これ知ってる人?それは、あぁ3人ぐらいですかね。

それはつまりこれ。こういうニュースですね。こう書いてあります。食品基準の100ベクレル以下の米は全量、出荷を認められることになっているが、198検体のうち大半が50から100ベクレルで、110ベクレルで出荷停止になった米と10ベクレルしか違わないで出荷が認められた米もある、っていうことですね。

で、これですね。福島民報、福島民友も報道しなかったんですよ。最終段階は福島県でも報道されなかった。福島県庁で記者会見やってんですよ?だからさっき言ったFGWっていうインターネットのニュースメディア、グリーンウォッチ(FWG=Financel GreenWatch)っていうところかな、報道したんだけれども、福島県でも報道されない。これが実態です。なぜか?この日ですね、福島県のあんぽ柿宣伝の日だったんですよ。あんぽ柿大宣伝。その結果その横で「今度は180ベクレル毎キログラム超えた米が出た」って言ったらまずいですよね。というふうにしてニュースっていうのは作られてるんです。

そして、私もこのニュースを見てのけぞりました。これ読売新聞で。読売新聞の大体36面ぐらいでやってます。わかりますか?被災者応援のほうでね、被災地の記事のところに載ってるんですけど、ここ書いてありますね。

川内村のお米、今年はですね260ヘクタールある水田のうち約102ヘクタール、だから約半分くらいのところで稲作を再開したと。1万6千袋の収穫を認め、検査を通過した米の多くは政府が備蓄米として買い上げる。これは東南海地震、南海地震が起きたら、被災地の方々はこの備蓄米を食べさせられるわけです。

これ吉野家ですね。これみなさんご存知の通り、吉野家は「ファーム福島」っていうのを作って、白河市に。

こう書いてありますね。玉ねぎの栽培を始める。今年の春からです。米も作付けする。米10トン玉ねぎ22キロ、白菜30キロ(注:正しくはタマネギ22トン、白菜30トンです。)の生産を目指す。

以前、木下黄太っていう方が書かれている、木下黄太のブログご存知の方も多いと思いますが、彼が言ってました。「東京へ来たらもう食べるの吉野家しかないな」吉野家の牛丼食べてましたが、もう多分木下さんは牛丼持って帰れません。

のけぞったのがこれですね。これ何かって言うと、ここの福島の20キロ圏内と計画的避難準備区域、作付け禁止だったわけですよ。ね、原発事故から2年間。ところがですね、去年からこの紫色のところは作付再開準備区域ということで、お米が生産されています、販売用に。で、100ベクレルを超えなければ出荷がOKなんです。

簡単な質問します。

はい、100ベクレル超えなければ出荷OK、100ベクレル毎キログラムのお米、出荷していいでしょうか悪いでしょうか?マルバツで答えてみます。

 

100ベクレル毎キログラムのお米

・出荷してよい ・出荷してはいけない

 

ハズレ!

「100ベクレルを超えてはいけない」なので、100ベクレルまでOKです。

セーフなんです。

 

ちなみにここ、ここは南相馬市旧太田村、ここです。ここのお米が180ベクレル超えてるんですよ?ところが一切報道されていないのは、ここ飯舘村です。去年から作付再開準備ということで、販売用のお米が生産されているはずです。測定結果出てきてないですよね。やってるはずです。

 

はい、ということでこれからはもう100ベクレル毎キログラムのお米は安全ですということで市場に出されています。

学校給食で国産米というのは、こういったお米が混ざってる可能性があるというふうに考えるべきだと思います。

 

以上です。

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