食品と暮らしの安全基金 小若順一さん (2)

ウクライナ調査報告

この日に小若さんがお話してくださった内容についての更に詳細な情報は、食品と暮らしの安全基金ホームページでご覧いただけます。

■空間線量比較 ウクライナ vs さいたま市

 

 

ウクライナ調査に行ったんですけれども、その時にメインにやったのはここでして、うちの測定器で0.08μSv/h、こんなもんです。

 

 

わが事務所、さいたま市ですけれども0.10(μSv/h)ぐらい。ちょっとこっちの方が高いんですね。僕なんか向こうで調べている地域ってのは、少なくともここより低い地域を調べているんです。

■ウクライナと日本の放射能汚染の比較

これはみなさんのお手元に資料がいってます。ちょっと見てください。とりあえず真ん中のきちっと折り込んだのを開いてもらうとこの資料が出てくると思います。この資料のこの辺に数字が出てまして、この数字の単位はキロ、「k(キロ)=1,000」とか除けばですね、100はこっちの100と一緒です。こっちは上側の数字ですね。kBq/㎡(キロベクレル・パー・平方メートル)で、これも100「k=キロ」を除けばいいんですからで単位一緒です。

 日本の表示     ウクライナの表示

3000k(Bq/㎡) =  3(kBq/㎡)

したがってどう見るかっていったら、色の濃いところと、ブルーのちょっとなんか褪せたブルーの色、その辺のところがこっちの「100」ですね。こっちの赤のこの「100」が、これと大体一致するんです。ウクライナのすごいところは、まぁもう時間が経っているっていうのもありますけれども、「100」以下のところはずっとあって「10」がありますでしょ。で、日本は「10」以下はわからない。で、「10」の後に「4」「2」とありまして。

■非汚染地域での調査

今日お見せするのは7番の地域。つまり、「2」とか「4」とかってこんな低いレベルですよ。日本では公表されてないレベルのところのデータを基本にしてます。だから相当低いです。一般的に言うと、この「185」とか、こういうあたりの調査を日本の多くの方はやってまして、世界的にもこういうとこばっかり・・・NHKなんかその「185」あたりの、前後の地域をやってます。もうウクライナ行っても常識で「あそこは被害が出るよ」っていう感じなんです。

 

ところが「20」を切ってくると話はちょっと違いまして、「20」を切ってくると“ここは被害が出ませんよ”という話になって、現地で反対派でも被害が出ないって言うんですよ。僕らと大喧嘩という話ですね。出るはずがないという。だけど実際にはもう健康被害だらけで。なぜそういうことが起こってるかというのも先だってタチアナさんに言ってまして、政府が被害を認めると補償しなければいけない。真面目な国なんですね。日本政府なんか被害が出ても放っておきますけど、ウクライナは一応共産国が引っ張ってますから、だから被害を認めたら補償しなければいけない。したがって絶対被害を認めない、こういうシステムになってたんですね。そういうことで我々よりもちょっと低い地域のところを調べたんです。

で、まず・・・まずというか今日はもうここしか言いません。7番の地域(ノヴィ・マルチノヴィチ村)です。すごく低いでしょう。圧倒的に低い地域のところで、行って子どもたちに「足が痛いですか?」って言ったら1人しか手を上げませんでした。「頭がいたいですか?」って言ったらこういう感じです。

 

日本人が初めて行く地域なので、親とか、なんか親戚とかOBとかが来てまして、左側の方には何かよくわけのわかんない人が入ってます。右側の方は全部子どもです。15から17歳です。僕らが取材しようと思ったのは15から17歳なんですけど、まぁわかんない人が入ってて、村人も含めてこんなに手が上がるんですよ。大人も子どもも異常ということです。特に15歳って子はチェルノブイリの影響を直接的には受けてません。間接的に受けているということになってます。汚染した食品を食べてると、頭が痛い人が18人ぐらいいて、鼻血が出やすい人が13人いて、風邪をひきやすい人が12人いる。大体このくらいはどう見たっておかしいっていうのがこの地域の人です。

それで、この地域で村長さんに子どもが食べる食事を作ってもらいました。1食分がこれです。何食分も検査機関に持ち込みまして、これもまぁ大変なことなんですけど、低いレベルまでやってもらう。これは普通ではできません。まぁとにかくやってもらった。何度も失敗でここまでやってもらうと、食事全体は2,150gありまして、2.36Bqです。つまり1kgあたり1.1Bqで頭痛が出る、鼻血が出る、風邪がひきやすくなる、こういう症状が出ることが確認できたわけです。

みなさんのお手元にあるこれですけれども、これ、全部良くした人です、症状。非常に症状が軽くなったか完全に治ったかという。それまでは健康状態ボロボロでしたけれども、これが良くした人たちの写真です。で、この報告は、すいません、あとで買って、『放射能被害の新事実』というこういう報告書出てまして、11月に呼んだタチアナさんが細かくしゃべってますので、こちらをご覧ください。

こいつをまとめたのが、数字でまとめたのがこれになります。頭痛がした子どもが13人いまして、まったく頭痛がしなくなった子が5人です。それから改善した子が8人。こっちは汚染の低いいところです。埼玉より汚染の低いところでそういう感じです。大人も20人いて19人が改善してます。それから足が痛かった子どもが11人いて、3人が足が痛くなくなって、改善したのが8人です。それから大人が18人で全員改善しています。改善しなかったというのはつまり86歳のですね、村民で最高齢のおばあちゃんがいまして、おばあちゃんだけ頭痛が改善しなかった。他はみんな改善しました。

 

それからモジャリ村っていうのはこりゃもうすごく汚染されたところです。ちょっと、まぁ、よく生きてるなというような地域ですけど、そこでも食事を改善して、非常に線量の高いところでですね、例えばキノコで最大値は75,000Bqです。ウクライナの基準は500Bqで、基準違反率が56%。だからまぁ数千ベクレルのキノコをよく食べてるっていう地域ですけれども、頭痛の子どもが5人いて、(頭痛が)なくなった子が2人いて、頭痛が解消したっていうのですね、2人いて、改善が3人です。大人も11人中11人全部頭痛が改善しています。(子どもの)足痛は5人中3人が解消して、改善が2人。大人の足痛が全員改善していますっていう目覚ましい成果を上げました。

 

したがって、まぁ、良くなったんですから、放射能を抜いたら健康状態のほうがこういうふうに劇的に良くなったんですから、放射能の摂取量少なくすると必ずなるということがまぁわかったのと、放射能が微量でも被害が出てるということが証明できたということになります。

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